『呪術廻戦』に登場する夏油傑は、かつて五条悟の親友であり、ともに「最強」と呼ばれていた特級呪術師です。しかし、ある出来事をきっかけに呪術高専を離反し、非術師を排除しようとする呪詛師へと変わってしまいました。
「夏油はなぜ闇堕ちしたの?」「天内理子の死亡が原因?」「本編に登場する夏油は本人なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、夏油傑の正体や術式、闇堕ちした理由などを原作の内容をもとにわかりやすく解説します。
夏油傑とは何者?結論
結論から言うと、夏油傑とは、五条悟と並ぶ特級呪術師だったものの、呪術師だけの世界を作ろうとして呪詛師になった人物です。
もともとの夏油は正義感が強く、「弱者を守ることが呪術師の役割」と考えていました。
しかし、呪霊を生み出す非術師を守るために、仲間の呪術師たちが傷つき、命を落としていく現実に疑問を抱くようになります。
その葛藤が積み重なった結果、夏油は非術師を守る側から、非術師を排除する側へと変わってしまいました。
夏油傑のプロフィール
夏油傑の基本情報は次のとおりです。
- 名前:夏油傑(げとう すぐる)
- 階級:特級呪術師
- 所属:元・東京都立呪術高等専門学校
- 術式:呪霊操術
- 高専時代の同級生:五条悟、家入硝子
- 立場:呪術師から呪詛師へ離反
- 目的:非術師を排除し、呪術師だけの世界を作ること
夏油は日本に数人しかいない特級呪術師の一人でした。
五条悟のような生まれつきの圧倒的な能力とは異なり、多数の呪霊を取り込んで戦力を増やせる術式を持っていたため、成長すればするほど危険性が高まる人物でもあります。
夏油傑の能力「呪霊操術」とは?
夏油の術式は、降伏させた呪霊を取り込み、自由に操ることができる呪霊操術です。
取り込んだ呪霊は、必要な場面で呼び出して戦わせることができます。
呪霊によって能力や特性が異なるため、夏油は状況に応じてさまざまな攻撃を使い分けられました。
また、弱い呪霊であれば調伏の手順を省略して取り込むことも可能です。
その一方で、呪霊を取り込む際には、不快な味のする球体を飲み込まなければなりません。
夏油は何度もこの苦痛を味わいながら、非術師を守るために任務を続けていました。この積み重ねも、精神的に追い詰められた原因の一つと考えられます。
夏油傑が闇堕ちした理由
夏油が闇堕ちした理由は、一つの出来事だけではありません。
天内理子の死亡、五条との実力差、仲間の死、非術師への失望が重なり、夏油の価値観が崩れてしまったことが大きな原因です。
ここからは、夏油が変わっていった経緯を順番に見ていきましょう。
理由① 天内理子が殺害された
夏油の価値観を大きく揺るがした出来事が、星漿体・天内理子の護衛任務です。
夏油と五条は、天元との同化を予定していた天内理子を護衛していました。
任務を通して理子と心を通わせた二人は、彼女自身の意思を尊重し、同化を拒否して自由に生きる選択肢を与えようとします。
しかし、その直後に理子は伏黒甚爾によって殺害されました。
さらに、理子の遺体を抱えて現れた五条たちを、盤星教の信者たちは拍手で迎えます。
理子の死を喜ぶ非術師たちの姿を見たことで、夏油は「自分たちは誰を守るために戦っているのか」と疑問を抱き始めました。
この出来事は、夏油が非術師に不信感を持つ最初の大きなきっかけだったと考えられます。
理由② 五条悟が一人で最強になった
学生時代の夏油と五条は、二人合わせて「最強」でした。しかし、伏黒甚爾との戦いを経験した五条は、反転術式を習得して大きく覚醒します。
術式の自動化や反転術式の常時運用を身につけたことで、五条は一人であらゆる任務をこなせるほど強くなりました。
一方、夏油は五条との差が広がっていく中で、一人で任務へ向かうことが増えていきます。
これまで隣にいた親友が手の届かない「最強」になったことで、夏油は孤独を深めました。
五条に嫉妬したことだけが闇堕ちの原因ではありません。しかし、悩みを共有できる相手を失ったことは、夏油が追い詰められる大きな要因になったでしょう。
理由③ 灰原雄の死に心を折られた
夏油をさらに追い詰めたのが、後輩・灰原雄の死です。灰原は明るく素直な性格で、呪術師としての仕事にも前向きでした。
しかし、任務で想定以上に強い呪霊と遭遇し、命を落としてしまいます。夏油の目の前には、変わり果てた灰原の姿が残されました。
呪霊は、主に呪力を制御できない非術師から生まれます。それにもかかわらず、その呪霊を倒すために呪術師が命を落とし続ける現実に、夏油は耐えられなくなっていきました。
「非術師を守るために、なぜ呪術師が犠牲にならなければならないのか」
この疑問が、夏油の中で次第に大きくなっていったのです。
理由④ 九十九由基との会話
夏油の思想に決定的な方向性を与えた人物が、特級呪術師の九十九由基です。
九十九は、呪霊が生まれない世界を実現する方法として、二つの可能性を語りました。
一つは、すべての人間が呪力を制御できるようになること。もう一つは、呪力を制御できない非術師をこの世界からいなくすることです。
九十九自身は非術師の排除を勧めたわけではありません。
しかし、精神的に追い詰められていた夏油は、この会話によって「非術師がいなくなれば呪霊も生まれない」という考えに具体性を見いだしてしまいます。
夏油の中にあった漠然とした疑問が、危険な思想へ変化するきっかけになりました。
理由⑤ 虐待されていた美々子と菜々子を救った
夏油が呪術高専を完全に離反する決定打となったのが、ある村での任務です。
その村では、呪術を使える双子の少女・美々子と菜々子が、異質な存在として村人から虐待されていました。
本当の原因が別の呪霊にあったにもかかわらず、少女たちはすべての責任を押し付けられていたのです。
その光景を見た夏油は、ついに非術師への怒りを抑えられなくなります。そして村人たちを手にかけ、両親も含めて非術師との関係を断ち切りました。
この事件を境に、夏油は呪術師ではなく呪詛師として追われる立場になります。
夏油傑の目的は呪術師だけの世界を作ること
闇堕ちした夏油の目的は、非術師を排除し、呪術師だけが生きる世界を作ることでした。
夏油は非術師を「猿」と呼び、呪霊を生み出す存在だと考えるようになります。一見すると冷酷な思想ですが、その根底には「呪術師の仲間をこれ以上犠牲にしたくない」という思いがありました。
夏油は最初から人を傷つけたい人物だったわけではありません。
むしろ、正義感が強すぎたからこそ、矛盾した呪術界の仕組みに耐えられず、極端な結論へたどり着いてしまったのです。
夏油傑は本当に悪人だった?
夏油が行ったことは、決して許されるものではありません。非術師を排除するという思想を掲げ、多くの人を傷つけました。
しかし、夏油が生まれつき残酷な人間だったわけでもありません。呪霊を取り込み続ける苦痛、理子の死、非術師たちの反応、仲間の死、五条との距離など、複数の出来事が重なって夏油の心を壊していきました。
そのため夏油は、「正義感の強い青年が、矛盾した世界に耐えられず道を踏み外した人物」と言えるでしょう。
夏油が今でも高い人気を誇るのは、単純な悪役ではなく、闇堕ちに至る苦悩や悲しみが丁寧に描かれているからです。

まとめ
夏油傑についてまとめると、次のようになります。
- 五条悟と並んで「最強」と呼ばれた元・特級呪術師
- 術式は多数の呪霊を取り込んで操る「呪霊操術」
- 天内理子の死や灰原雄の死によって、非術師を守ることに疑問を抱いた
- 九十九由基との会話で、非術師を排除する思想が具体化した
- 美々子と菜々子への虐待をきっかけに呪詛師へ転落した
- 百鬼夜行で乙骨憂太に敗れ、最後は五条悟によって命を絶たれた
- 本編に登場する夏油の正体は、肉体を乗っ取った羂索
夏油傑は、単なる悪役ではありません。
誰よりも呪術師の役割を真剣に考え、仲間を守ろうとしたからこそ、矛盾した世界への絶望も大きくなってしまいました。
五条悟と夏油傑がそれぞれ別の方法で呪術界を変えようとしたことは、『呪術廻戦』全体を理解するうえでも重要なポイントです。


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