『朱色の仮面』は、不思議な力を与える「仮面」が存在する世界を舞台にしたバトルファンタジーです。
主人公ペルは仮面職人の弟子ですが、過去に「武神の仮面」に操られ、師匠や仲間を自らの手で殺めてしまいました。
その罪を背負ったペルは、師匠が世界に残した仮面を壊す旅へ出ます。
しかし物語が進むにつれ、仮面をめぐる争いはペル個人の贖罪だけではなく、国家の支配、三大仮面屋、意思を持つ仮面、そして「仮面屋の始祖」にまで広がっていきます。
今回は『朱色の仮面』の物語を、ペルの過去から最新の「ユルバンの仮面庫編」まで時系列で分かりやすく解説します。
※ここから原作のネタバレを含みます。
①ペルはガストンの弟子として暮らしていた
物語の始まりより前。
主人公ペル・ダレストは、伝説の仮面職人ガストン・ルーのもとで修行していました。
ガストンは世界で三本の指に入るほどの仮面屋。
ペルのほかにもゼントなどの弟子がおり、ペルにとってガストンたちは家族のような存在でした。
しかし、ガストンが生み出した仮面の中には、あまりにも危険なものがありました。
それが、
「武神の仮面・ボルナルト」
です。
ガストン自身もその危険性を理解しており、武神の仮面を隠していました。
ところが幼いペルが、偶然その仮面を手にしてしまいます。
②武神の仮面によって惨劇が起こる
武神の仮面は普通の仮面ではありません。
ガストン史上最高傑作と呼ばれるほど精巧に作られており、「ボルナルト」という独自の意思まで持っています。
武神の仮面を被ったペルは、ボルナルトに操られて理性を失い暴走。
そして、師匠ガストンやゼントをはじめとする仲間たちを殺めてしまいます。
ペル自身が望んだことではありません。
しかし、自分の手で大切な人たちを殺してしまったという事実は消えませんでした。
この惨劇こそが、『朱色の仮面』という物語すべての出発点です。
③ペルはガストンの仮面を壊す旅へ
惨劇を経験したペルは絶望します。
それでも、「自分と同じような悲劇を二度と起こしたくない」と考えるようになります。
そこで決意したのが、世界中に散らばったガストンの仮面を探し出して壊すこと。
こうしてペルは仮面商人として各地を旅しながら、師匠の残した仮面を探すようになります。
ペル自身はこれを立派な贖罪だとは考えていません。
過去を消すことはできない。
それでも、自分にできることを続ける。
この重い罪と向き合い続ける姿が、ペルという主人公の大きな特徴です。
④ペルとソナが出会う
旅を続けるペルは、ある街でソナと出会います。
ソナの本名は、
ソナルエ・メイウッド。
彼女はかつてリスブランの王女だった少女です。
しかし数か月前、世界最強と名高い剣士ゴウオンがソナの両親を殺害。
ゴウオンはリスブランのトップとなり、圧倒的な武力によって国を支配するようになりました。
ゴウオンの目的は世界統一。
そのために強力な仮面を求めており、ガストンが作った仮面も所有しています。
つまり、
ガストンの仮面を壊したいペル
と、
ガストンの仮面を利用したいゴウオン
は、いずれ衝突する運命にあります。
そしてソナもまた、両親と国を奪ったゴウオンと深い因縁を持っています。
⑤ペルとソナの前にトトクが立ちはだかる
リスブランでは、ゴウオンの配下たちが国を厳しく統制しています。
その一人が、
トトク。
リスブラン統治隊に所属する剣士で、国民を守るという名目で市民へ厳しい統制を強いています。
しかも剣の腕は並外れており、ペルとソナの前に立ちはだかる最初の強敵となります。
ここから『朱色の仮面』は、
ペルの贖罪の旅
だけではなく、
仮面を利用して世界を支配しようとする勢力との戦い
へと広がっていきます。
⑥モクが仲間になる
ペルとソナの旅へ加わるのが、
モク・シャリブ
です。
モクは「煙の仮面」を装着した青年。
煙を自在に操ることができますが、大きな問題を抱えています。
それは、
煙の仮面が顔から外れなくなってしまったこと。
さらに仮面の影響によって、定期的に喫煙しなければならない体質になっています。
そこでモクは、
煙の仮面を剥がしてもらう
ことを目的としてペルたちの旅へ同行。
こうして、
ペル・ソナ・モク
という物語の中心メンバーがそろっていきます。
⑦旅の中で「仮面の危険性」が明らかになる
ペルたちは各地を旅しながら、さまざまな仮面や被面人と出会います。
ここで重要なのが、
仮面は必ずしも便利な道具ではない
ということです。
仮面を被れば、人間にはない特殊な能力を手に入れられます。
しかし武神の仮面はペルを操りました。
煙の仮面はモクの顔から外れなくなりました。
さらに仮面の中には、独自の意思を持つほど精巧なものまで存在します。
物語が進むほど、
「仮面とは本当に人間を幸せにするものなのか?」
という疑問が大きくなっていきます。
⑧死霊の仮面とリンネが登場
さらに物語には、
死霊の仮面・アリエス
という危険な仮面が登場します。
武神の仮面と並ぶガストン史上最高傑作の一つです。
能力は、
死者を「死霊」として蘇らせ、意のままに操ること。
そして死霊の仮面と行動しているのがリンネです。
リンネはアリエスと思想が一致しており、その力を自在に操ることができます。
目的は、
人類すべてを殺し、自分の支配下で操ること。
武神の仮面によって人生を狂わされたペルとは対照的に、リンネは危険な仮面の力を自ら積極的に利用する人物として登場します。
⑨東の国ボタンへ
やがてペルたちは、三大仮面屋の一人・ダルマから招かれ、東の国ボタンへ向かいます。
ここでペルは、自分自身の過去を思い出させるような事件に直面します。
登場するのが、
武神の仮面を被ってしまった少年・リュウ。
かつて武神の仮面に操られたペルにとって、リュウを放っておくことはできません。
ペルはリュウを救おうとし、リンネとともに死闘を繰り広げます。
しかしリュウと武神の仮面の関係は、かつてのペルとボルナルトの関係と完全に同じではありませんでした。
リュウの心は武神の仮面と和解していたのです。
⑩武神の仮面が再び暴走
リュウを救おうとするペルたち。
しかし戦いの中でリュウは暴走。
最終的には、リュウの父クラマが犠牲となり、ボタン国内を巻き込んだ騒乱は終結します。
ここで重要なのは、「武神の仮面=単純に壊せばすべて解決する存在なのか?」という問題がより複雑になってくることです。
かつてペルは武神の仮面に一方的に操られました。
しかしリュウの場合は、武神の仮面と「和解」という関係にまで至っています。
人間が仮面を使う。
仮面が人間を操る。
人間と仮面が理解し合う。
物語が進むほど、ペルが考えていた「危険な仮面を壊す」という答えだけでは説明できないケースが増えていきます。
⑪ペルは「仮面屋の始祖ユルバン」を知る
ボタンでの騒乱を収めたあと、物語はさらに大きく動きます。
ペルはカクとの約束によって秤聯隊本部へ連申され、そこで、
仮面屋の始祖・ユルバン
という存在を知ります。
これまでペルは、師匠ガストンが残した仮面を中心に旅をしてきました。
ところがここから、「そもそも仮面はどこから始まったのか?」という、世界観そのものに関わる謎へ物語が踏み込んでいきます。
さらにペルは、それまでの戦いによって右腕を失っています。
その右腕を復元することを条件に、新たな任務へ参加することになります。
⑫ユルバンの仮面庫編へ
現在の大きな舞台となっているのが、
「ユルバンの仮面庫編」
です。
ユルバンが作った仮面が保管されている迷宮へ入り、その内部を調査することになったペル。
しかし当然、普通の倉庫ではありません。
迷宮内部では、
異形の存在
強力な守護者
ユルバンの仮面をめぐる複数の思惑
がペルたちを待ち受けます。
秤聯隊のメンバーたちとともに進むペルですが、さまざまな勢力の思惑も交錯。
物語は、
「ガストンの仮面を壊す旅」
から、
「仮面という存在そのものの起源を追う物語」
へと変化し始めています。
時系列で見るとペルの目的が変化している
ここまでを整理すると、『朱色の仮面』の物語は大きく変化しています。
最初のペルの目的は、
「ガストンの仮面を壊す」
という非常にシンプルなものでした。
しかし旅の中で、
ソナやモクと出会う。
さまざまな被面人を見る。
リンネと死霊の仮面に遭遇する。
リュウと武神の仮面の関係を見る。
そして仮面屋の始祖ユルバンを知る。
こうした経験を重ねたことで、
「仮面は本当にすべて壊すべきものなのか?」
という問いが生まれているようにも見えます。
これはペル自身の成長にも直結する重要なポイントです。
「朱色の仮面」の謎へつながる?
そして忘れてはいけないのが、作品タイトルにもなっている、
「朱色の仮面」
です。
公式イントロでは、武神・蜘蛛・炎龍・勇気・洗脳・煙などと並び、「朱色の仮面」という名称も登場しています。
物語序盤では武神の仮面とガストンが大きな謎でした。
しかし現在は、仮面屋の始祖ユルバンにまで物語が広がっています。
そのため今後、
仮面の起源
ガストンが作った仮面
武神の仮面
ユルバン
そして朱色の仮面
がどのようにつながるのかが、作品最大級の注目ポイントになっていくでしょう。
ただし「朱色の仮面=仮面の起源」などと確定しているわけではありません。
現段階では、物語の核心に関係する可能性がある存在として考えておくのがよさそうです。
まとめ|朱色の仮面は「贖罪の旅」から「仮面の起源」へ
『朱色の仮面』の物語を時系列で整理すると、
ペルがガストンの弟子になる
↓
武神の仮面に操られ惨劇を起こす
↓
ガストンの仮面を壊す旅へ
↓
ソナと出会う
↓
モクが仲間になる
↓
リンネ・死霊の仮面と遭遇
↓
東の国ボタンへ
↓
リュウと武神の仮面をめぐる戦い
↓
ボタンの騒乱終結
↓
仮面屋の始祖ユルバンを知る
↓
ユルバンの仮面庫編へ
という流れになります。
物語の始まりは、
「自分が起こした悲劇を二度と繰り返さない」
というペル個人の贖罪でした。
しかし旅を続けるうちに、仮面をめぐる国家や組織、三大仮面屋、意思を持つ仮面、そして仮面屋の始祖まで登場します。
『朱色の仮面』は、
一人の少年の贖罪の旅から始まり、やがて「仮面とは何なのか」という世界最大の謎へ迫っていく物語
といえるでしょう。
そして、その答えに作品タイトルでもある「朱色の仮面」がどう関係するのか。
今後の物語で特に注目したいポイントです。
▶ 武神の仮面とは?ボルナルトの能力・正体を解説


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