今日は「転生したらスライムだった件」が講談社漫画賞を受賞したお話をします。
転生したらスライムだった件とは?
「転生したらスライムだった件」は作者の伏瀬さんが「小説家になろう」に投稿した小説です。現在漫画化、アニメ化されており、シリーズ累計2000万部を突破しました。
漫画「川上泰樹」
あらすじ
なんという事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた•••はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない•••。そんな状況の中、自分があの”スライム”に転生してしまったことに気づく。
最弱と名高いモンスターであることに不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する悟だったが、天災級のモンスター”暴風竜ヴェルドラ”と出会ったことで運命は大きく動き出すー。
ヴェルドラに”リムル”と名付けてもらい、スライムとして新たな異世界生活をスタートさせた矢先、ゴブリンと牙狼族の争いに巻き込まれ、いつしかモンスターたちの主として君臨することに•••。
相手の能力を奪う『捕食者』と世界の理を知る『大賢者』、二つのユニークスキルを武器に最強のスライム伝説が今始まる!
講談社漫画賞とは?
講談社漫画賞は1960年(昭和35年)に講談社創業50周年記念事業で設置された「講談社三賞」の一部門「講談社児童まんが賞」が前身。
1970年(昭和45年)創業60周年記念事業で発足した「講談社出版文化賞児童まんが部門」(第1回から第7回まで実施)を経て1977年(昭和52年)に独立した賞「講談社漫画賞」となり、第1回が選ばれてから部門を拡充しながら今に至る。(出典:Wikipedia)
5月11日に少年部門・少女部門・総合部門の受賞漫画を決定し、2022年度で46回を迎えました。
少年部門「転生したらスライムだった件」
少女部門「星降る王国のニナ」
総合部門「ハコヅメ〜交番女子の逆襲」
原作のある漫画としての受賞は珍しいそうです。
選評
海野つなみ(以下敬称略)「政治的面白さでずっと飽きない」
小川悦司「転生ブームの一大起点かつ安定の面白さ、3度のノミネートを思い返すと納得の受賞となりました」
久米田康治「刊行数を重ねながらまだまだ面白い。これは作者のモチベーション含め中々できる事ではない。読む側も何度もノミネートされると新鮮味を失いがちだが、それを覆す力が両作品(ハコヅメ含む)にあったという事だろう。
両作品ともすでに他のメディアで擦られ消費され今更ブーストが掛かる訳でもなかろうにある意味忖度なしのガチ審査だったと思う」
東村アキコ「ゲームもの、転生ものという今ではメインになったこのジャンルのパイオニアであり、長期連載なのに3年連続で候補作にしっかりと登ってくる底力選考員一同感服、受賞となりました。
去年に引き続き『転スラ』を激しく推されている方もいらっしゃいました。ジャンル、世代を問わず面白い漫画って人を夢中にさせるんだなと感じさせられた作品です」
三田紀房「少年部門は『転生したらスライムだった件』を推薦しました。転生という確固たるジャンルを気づいた功績は高く評価されます。長期連載でも全くクオリティが衰えないことも賞賛に値します」
大和和紀「安定した面白さ、明るさや巻を重ねても落ちぬパワーを推した」
幸村誠「昨今の転生ブームの旗艦ともいうべき作品で、受賞して然るべきという結論になりました」
(講談社コミックプラスより引用)
受賞のことば
伏瀬(原作)
私にとって漫画家は憧れの職業です。苦しい時でも漫画があれば笑顔になれましたし、そうして力を与えてくれる漫画が大好きでした。不器用で、自分が思うような絵が描けなかったので挫折しましたが、本当は漫画家になりたかった。それでも物語を考えるのは得意でしたので、小説家を目指した次第です。
それがこうして栄誉ある第46回講談社漫画賞に選んで頂けたのは、川上泰樹先生という素晴らしい漫画家に出会えたからこそ。そして、イラストレーターのみっつばー先生、応援して下さる読者の皆様や、色々と支えて下さる方々がいたからです。賞はゴールではありません。これからも物語の完結を目指して精進していく事で、感謝の気持ちに代えさせて頂きたく思います。この度は本当にありがとうございました。
川上泰樹(漫画)
大変な賞を頂いてしまい驚いております。
私の仕事は小説のコミカライズですが、原作で感じ得る高揚感をそのままに漫画ならではのテンポと面白さとをどう表現すべきかいつも悩んでいました。
決して原作のお手軽版では無いようにしたいと思っていましたが、これで正しいのかと暗中模索していたのです。今回このような賞を頂けてそんなには間違っていなかったのかもしれないと私にしては珍しくちょっと自信がつきました。
この受賞は何より原作ありきです。原作の伏瀬先生、イラストレーターのみっつばー先生、コミカライズをさせてくださってありがとうございます。原作の面白さや格好良さを表現しきるには未熟な私ですが、これを機にもっと期待に応えられるように精進いたします。
そして選んでくださった選考委員の先生方、この作品が世に出るまでにお世話になっている皆様、読者の皆様に心から感謝いたします。本当に本当に、ありがとうございました。
みっつばー(キャラクター原案)
この度は講談社漫画賞という栄誉ある賞を頂き大変嬉しく思っております。個人的に病気療養中の身でありましたが、受賞の一報を受け急激な回復を感じております。都合の良い心と体に辟易しながらも、この喜びをしっかり嚙みしめ前を向く力とさせていただきます。
漫画『転生したらスライムだった件』の一話一話が作り上げられていく過程でキャラクター原案としての僕ができることはほとんどなく、すでに送り出したキャラクター達が誌面で躍動する姿を見守っているような日々でした。
そしていつもそのキャラクター達の背後に見えるのは伏瀬先生、川上泰樹先生、スピンオフを手掛ける先生方、作品に関わるすべてのスタッフ、何より『転スラ』を愛してくださっている読者の皆さん。
本当にたくさんの想いが乗った結果の受賞であると確信しております。
身に余る光栄とあたふたしてるだけではなく、僕自身も最後尾からしっかり支えるために頑張ります。 改めてこの度はありがとうございました。
(講談社コミックプラスより引用)
おめでとうございます!
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